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◆◆◆◆ ――ふざけやがってッ!!! 紫雨は床にうつ伏せに押さえ込まれながら、振り返って男を睨んだ。 「転校かぁ、紫雨君!今度は東京の伯母さんを犯しに行くの?」 放課後の教室。 女子を帰らせた男子たちの中心で、平良が笑いながらこちらを見下ろす。 「逃げ切れるなんて思ってないよね?あんなに生意気な態度をとっといてさあ」 「……グッ!」 その背中を平良の上履きが踏む。 「ちょっと矢島に気に入られたからって調子に乗ってさ。俺、そういう強い奴の陰に隠れてイキがってる奴が一番ムカつくんだよねえ!」 グリグリと背中を踏み込まれる。 「それともあれか?もう矢島にはケツを献上したのか?この汚っねえケツをさぁ!」 今度は尻に上履きが食い込む。 ―――こいつ……! 抵抗しようにも、山田ともう一人野球部のデカい奴が左右から抑え込んでいて自由が利かない。 「その矢島は今日は休みじゃん?寂しいだろうから俺らが遊んでやるよ」 平良の言葉に囲んでいる男たちが笑う。 「あのさ……、こういうのヤバくね?」 ただ一人、井上だけが顔を歪めて言った。 「何ビビってんだてめえ!」 平良が井上の胸倉を掴み上げる。 「……てかさ、あの、俺、サッカー部じゃん?」 井上が手を上げながら言う。 「猪股先輩っていたんだよ。あの矢島が助けてくれたっていう……?」 「はあ?お前、マジで性格わりーあのクズ!とか言って、嫌ってただろうが!」 紫雨を抑え込んでいる山田が牙を剥く。 「いや、そうなんだけど。 でもあの人のおかげで何度も全国のグラウンドに立てたのは事実っていうか……。 もしあの事件であの人が死んでたら夢見悪かったというか。だから、ある程度感謝してるっていうか、さ」 「はあ?」 平良が片眉をひん曲げる。 「百歩譲ってそうだとして、それは矢島に対してだろ。こいつは関係ないだろ!」 「いや、まあそれは、そうなんだけど……」 井上が複雑そうな顔で紫雨を見下ろす。 「――いいわ。お前。廊下に出て見張りでもしてろ」 平良はドンと井上を突き飛ばし、彼は軽くため息をつくと大人しく廊下に出て行った。 「さて。お待たせ、紫雨君」 平良が紫雨に向き直る。 「あのとき、お前なんて言ってたっけぇ?手取り足取り教えてくれるんだっけ?」 うつ伏せにされている紫雨のベルトに手をかける。 「お前が挿れろよ、だっけ?」 それをぐいと引き下げた。 「教えてもらおうかな!」 もう一つの手でグイと紫雨の髪の毛を掴んだ。 「ーー俺の童貞、貰ってくれる?」
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