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「―――悪いけど」 紫雨は平良の歪んだ顔を睨み上げた。 そして一旦引くと思い切りその額に向かって頭突きを食らわせた。 「―――う……!」 平良がひっくり返り、紫雨は必死に二人の腕を振り払った。 「俺、チンコは選ぶ派なんだよね……!」 無我夢中で立ち上がる。 「抑えろ!そいつ、抑えろって!!」 平良が叫び、周りの男たちが一斉に紫雨に襲い掛かってくる。 中に柔道部でもいたのだろうか。 足を後ろから払われ、紫雨の細い体は簡単に後ろに倒れた。 ―――あ、やべ……この体勢……! 紫雨は、放課後の夕日が差す天井を見上げた。 そこには―――。 伯母がこちらを覗き込んでいた。
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