偽りの愛

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偽りの愛

 愛してるから殺した。  ずっと見てきたのに僕の事なんて知らないって言うんだ。   酷いよ、真美(まみ)。  殺されてもしょうがないよね?食べて僕の血肉と一緒になろう?  逃げる君。追いかける僕。幼い頃の追いかけっこを思い出して楽しいね。  楽しいのに何故そんなに叫ぶんだい。こんなにも楽しいのに。   ほら、そんなに叫んで暴れるから足が縺れて転ぶんだよ。    はい、捕まえた。次の鬼は君なんだけど、殺しちゃうからもう鬼ごっこ出来ないね。    最初は浅く切り裂いて。まだまだ元気だ。そうそう、最後の声を聴かせておくれよ。  ダメだよ、僕の頬を叩いては。痛いだろう?叩くと痛いんだよ。  楽しいけれど、あんまり騒がれると誰か来るかもしれないからね。  声が出ないよう喉を一刺し。  一度じゃまだ死んでないかもしれない。怖いからズサっ、ズチャっと繰り返し刺しておく。僕の手や身体は君の血で赤く染まる。綺麗だね。君の血だから綺麗なんだよ?分かるかい真美。    見つからないうちに家に連れ帰ろう。  真美、重いね。こんなこと言うと叱られるかな。細身の君も力が抜けると重いんだね。力が抜けるとだから普段は重くないってことだよ、大丈夫だよ。それに僕と一体化すれば僕は重みなんて感じないから。  自宅の浴室に連れて行き、包丁と鉈を数点用意する。  ギコギコギコギコギコギコギコギコ。  すぐにヌルヌルしてくる刃。  人間のぬるぬるした皮脂で包丁はすぐ使い物にならなくなるんだ。最初に鉈で何個かに分けよう。    クスクスクスクス。もう汗が出てきた、 君の綺麗な瞳は最初に食べてあげる。くそっ、目の視神経が邪魔だ。    ぶちぶちぶちぶち。視神経から目玉を引きちぎって口の中に放り込む。舌の上で愛撫してたくさん可愛がってから飲み込んだ。  もう1つの眼球はたくさん咀嚼した。  最後に僕を見ていた瞳。きっと僕の記憶がある瞳。血肉にしちゃった♪  はぁはぁ、はぁはぁ、はぁ、くそっ!この刃物ももうダメか。  なんで油がこんなに出るんだよぉぉぉ。  そうだ。冷凍させて冷凍したものを切れる包丁で切ればいいかもしれない。  はぁはぁ。僕ってなんて頭が良いんだろう。  ここまで切れば大丈夫だろう。いったんシャワーを浴びて、よく通販番組でやってる冷凍したものもサックリ切れますよ♪な包丁を注文しよう。  真美がバラバラになってる浴室で僕はシャワーを浴びる。  真美、初めての一緒にお風呂だね。  カップルがドキドキする定番でしょ?初めての一緒にお風呂。  僕は浴槽は使わない派だから一緒に浴槽ドキドキ~は出来ないね。残念だけどそこは我慢して。   生で食べられそうな臓器は新鮮なうちに生で食べた。  夜中に腹が痛くなって、トイレに駆け込み戻した。多分必要な部分は血肉になって、戻したのは僕の体がいらないって判別した部分。  
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