卒業アルバム

⑶

　病院から帰宅して、自室に戻ったおれは、部屋の床で転がったままの卒アルを開いた。
　先ほどと変化はない。

　奇妙な写真の数々を、もう一度眺めて記憶を辿ってみる。
　…… 思い出した。写真が消えているクラスメイトは、既に亡くなっている人たちだ。
　おれが通っていた小学校も、今はもう存在しない。近隣の小学校と合併して、違う名前になっている。

　小学校の同級生、中学校の同級生。先生方。そして、無くなった母校。
　みんな、この世の生を卒業して行った人や建物。
　すっかり忘れていた。