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「一獲千金、パパっとまとまった金が欲しいってなー、確かにゆうたで。そらアタシがゆうたわ」
レンガか岩か、上下左右余す事なくブロックの敷き詰められた薄暗い通路に獣の叫びが響き渡る。
頭と肩は熊、胴と脚は虎、何故か豊かな毛並みの大型犬のような長い尾を持つそれはいわゆる合成魔獣というやつだった。
「せやけどな? せやけどなーっ!?」
合成魔獣の大きく開いた口に、三メートルにも及ぶ赤銅肌の巨人が体格相応に巨大な大剣を突き込んで捻じ伏せる。
娘は魔導書のページを捲り悲鳴をあげるように風の属性魔術を叫んだ。
「シルフィック・ビュートォォォォオッ!!」
強力な真空の鞭が魔獣を打ち据え袈裟懸けに切り裂く。
「ちょっと探検ゆうてからに、未盗掘迷宮探索なんてちょっと言わんねやでええええええっ!?」
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