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アリスはたまに来ているから、
「おばちゃん、ミックス一つね!」
と注文した後、レイラに、
「レイラは何にする?」
と聞いたが、レイラは初めて店に来たので何がいいのかわからず、
「私も同じものを」
と注文した。
アリスは小声でレイラに、
「今日は当たりだよ!おばちゃんがいるもん。いない時は他の人が作ってるけど、味が全然違うのよね」
とこっそり言った。
食べながらレイラは、正直普段あまり食事にお金をかけずにいたので、高知に来てからこれほど美味しいものは食べたことがなかったため感動した。
食べ終えて店を出、歩きながらアリスは、
「あのおばちゃんはね、もう何十年も前に広島から高知にきたんだって。パパがそう言ってた。おいしかったでしょ?」
レイラは生まれてから今まで、あんな美味しいお好み焼きは食べたことがなかったので、
「スゴイよ、アリス!あんな美味しいの、愛媛にもないよ!」
と感想を述べた。その後レイラは、
「アリス、このあと帰って夕食を食べるの?」
と聞いたら、
「まさかぁ!私もう大女って言われたくないよ、アハハハ…。それより、喉渇いちゃった。オタフクソースをかけすぎたかな…アハハ」
レイラはそれを聞いて、
「…ならさ、私のアパート寄ってく?安い紅茶くらいしかないけどさ…」
「うん!行く行く!だいたいの場所は知ってるけど、行くのは初めてだなぁ…」
既にレイラのアパート近くまで来ていたらしく、すぐに着いた。
レイラの家は中流家庭で、仕送りも少ない。学校が休みの時は、レイラはずっとバイトをかけ持っていた…」
「…ここよ…」
とレイラはボソっと言った…。
アリスがそのアパートを見上げると、どう見ても「昭和」感がハンパない。おそらくセキュリティも何もないアパートなのだろう。
「レイラ、こんなとこに住んでて大丈夫なの?」
アリスは思ったことはストレートに口にするタイプだ。
「ウン、でもここ安いから、親と見に来て決めたのよ…」
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