渚の街のモノクローム外伝「レイラアナザーストーリー」⓶

２．新人戦

　大学に入って初めての新人戦に出ることになったが、高知には大学が少なすぎたため、予選は行われず、アリスとレイラが四国大会に出るようにとの通知があった。

　通常なら一つの大学から出られるのは一名なのだが、二人がインターハイで一位になっていたことがあったため異例の措置がとられたらしい。

　四国大会はレイラの地元、松山市で行われ、二人が予想通り決勝まで進んだため、決勝戦はせずに二人ともが全国大会に進むことに決まった。

　今年の大会は栃木県で行われことになっていた。宇都宮市にある、「とちのき体育館」が入っている総合運動施設らしい。

　アリスもレイラも見たことのないような大きな体育館だった。体育館の中には、6面の試合場がすっぽり入っていた。この全部を使って予選が行われている。

　初日はアリス、レイラとも午前と午後の2回試合があって、どちらもすんなり進んだ。アリスとレイラの対戦は、ブロックが違うため決勝までは当たることがない。ラッキーだと二人は思った。

　2日目。レイラの対戦相手がアリスよりデカい大女で、パワー負けしていたものの、レイラはアリスといつも剣を交えていたからそれほど動揺せずに戦え、かろうじて勝ち進んだ。

　午後からの準決勝にアリスが出場していたので、レイラは応援しに行ったところ、地元から出場している相手の宮本という選手に、あっさりと負けてしまった…。

　直後のレイラの準決勝は、あの冷静なレイラが最初から飛ばしに飛ばして圧勝した。