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姉妹の会話
「お姉ちゃん、痩せたね」
「そうかも。今、モデル体型くらいになってるんだよ……モデルになろっかな」
冗談だけど、と付け加えて、乾いた笑いを漏らす。
「モデルになるなら、メイクを勉強したら?」
「そうだね……また『勉強』しないとね」
「あ……そんなつもりじゃ……」
「分かってるよ」
ヤダな~、と笑う。
元から痩せていた姉だが、大学に入ってからすごく痩せた。私が「メイクの勉強」と言ったのは、顔色が悪いことやクマが酷かったからだ。
「お姉ちゃん、ちゃんと寝てる?」
「え? うーん……少し……」
苦笑いを浮かべる姉の手を、そっと握る。
「お姉ちゃん、もういいと思う」
「亜紀?」
「ここまでよくお母さんの言うことを訊いたよ。だからもう好きに生きて。四年になったら大学も卒業するんだし、この家からも出た方がいいよ」
「でも、そんなことしたら……」
姉が迷う理由、それは……たぶん私だ――
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