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004『面接』
「では、AIの社会進出に対しては問題ないとお考えなんですね?」
「そうですね、シンギュラリティは起きているいると思っています、しかし、それは自然の流れで、人間とAIの共存はこれからの社会のテーマになってくると思います」
「なるほど・・しかし、そうなるとAIやアンドロイドが人間の仕事を奪っていくことが増えていく可能性はあると思いますが・・・」
「いえ、そんなことはないと思っております、人間は人間、AIやアンドロイドはAIやアンドロイドの得意分野があると思うので、そこはうまく分業できるのではないかと考えております」
「例えばどんな感じですかね?」
「はい、やはりAIやアンドロイドは効率的な思考をしますし、利益重視になりがちな部分はありますが、人間は・・・人ならではの、なんといえばいいますか・・・人情?そういったものを大事にしてますし、そういった部分はやはり人間にしかできないと思っています」
「やはりそういった物は大事ですかね?」
「そうですね・・・やはり一見『無駄』に見えるようなことも、この社会をうまく回していくには必要だと思います。効率性だけを求めてもうまくいかないんじゃないでしょうか?」
「うん、私も何年も面接官をやっていますが、大事なことだと思っています。私の方からはこれくらいなんですが、何か質問はございますか?」
「いえ、特にござません」
「では・・・少々お待ちくださいね、今AIが結果を出していますので・・・・
あっ・・・出ましたね。採用です。よろしくお願いいたします」
「本当ですか?ありがとうございます。やはり、AIによる効率化ですか?」
「そうですね、こういったことはAIや私たちアンドロイドにほうが得意ですからね」
「確かにそうですね、人間は『AIが決めるなんて・・・』と言いそうですけどね」
「時間の無駄ですよね」
「そうですね、私もそう思います」
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