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今日も女体化してフーフーとスイスイと一緒に猪さんに乗って登校していると僕らの前を遮る人がいた。
「アッキーさん、マッキーさん、どうしたの?」
アッキーさんとマッキーさんは双子でよく僕の様子を見に来ている人。なぜなのかは僕はまだ知らない。
「あぁ本当に翡翠くん、女体化してるよマッキー……」
「これから根性すえて守らなきゃ……」
悲しそうなアッキーさんとマッキーさん、なんでかなぁ? と僕は不思議に思う。
「女体化が駄目なの?」
僕がお話を始めたため、フーフーとスイスイは猪さんの背中で居眠りを始めた。
「駄目な訳じゃないけど、世の中へんたいさん多いからね。変な人に絡まれたらすぐに助けを呼ぶんだよ。とりあえず伊織先生には気を付けて!」
「分かった! じゃあねアッキーさんマッキーさん! 僕ら遅刻しちゃうから!」
猪さんは、ブヒッと鳴いてまた走り出す。学校まで辿り着くとそこには大さんと徹さんがいた。大さんと徹さんは、お兄ちゃんの昔から友達で今は本乃さんって方が経営する出版社で働いている。でっかいのが大さんで眼鏡なのが徹さんだ。
「おーー! 翡翠くん、本当に女体化してるじゃん! 後ろの子たちも女体化しているのか! なんて美少女だ!」
「今度は何?」
フーフーが目を擦りながら欠伸をする。
「うむ! 欠伸する美少女! 要素はバッチリだ」
スイスイはまだ猪さんの背中で寝ている。
「大さん、徹さん、僕らに何か用?」
「ああ! 翡翠くんたちの女体化の魅力を引き出してやろうと思ってな! 俺らにプロデュースさせてくれ! 瑠璃が人気になったのも俺らが手掛けたからだ!」
まぁ確かに大さんと徹さんはやり手だという話だ。ただ実績はばっちり積んでるけど、どうにも影が薄いと瑠璃お兄ちゃんが話していた。
「あら。その話は私が個人的に聞きたいですね」
その話に割って入ったのは僕らの担任のえみ先生だ。ふわふわな感じだけど、怒ると怖いんだよね。
「翡翠くん、風くん、水くん、教室に行きなさい。先生がお話聞いておくから」
「はーい」
僕らは猪さんから下りて教室に向かう。猪さんは校庭でお昼寝をはじめて、大さんと徹さんはえみ先生にしょっぴかれていった。
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