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目覚めの紅茶を飲みながら、甲斐甲斐しく私の髪を整えるハーディスに視線を向ければにこりと笑みを浮かべた。
「男二人を手玉に取っているだけですよ、お気になさらず」
「勝手に心を読むの止めて」
「わかりやすいだけですよ」
紅茶のカップを置いた途端、後ろから抱きしめられる。
この腕の大きさ、あたる胸の硬さから誰かわかる。
「ハデス」
「おはよう、愛しき妻よ」
無理矢理顔を動かされキスをされた。
その顔は非常に満足げだ。
こうやって突然交代するのもかなり慣れた。
「ようやくあの世界が元に戻ったそうだ」
思わず顔が明るくなる。
エリスに頼んだ世界の修復は思いのほか難航し、やっとの報告に涙が出そうだ。
ディオンとカール様は二人とも素晴らしい女性と結婚し、幸せな人生を送っているという。
両親には私では無いティアナという娘がいて、彼女も近く良い相手と婚約するらしく両親は喜んでいる。
気になる人々は皆無事で、そして幸せに過ごしているとわかればもう十分に満足だ。
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