第五章 所詮逆ハーと見せかけて答えは出ているものである

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「どうだ、後でその世界に行ってみるか?」 ハデスは私を後ろから抱きしめたまま聞いてきて、私は一瞬考えた後、首を横に振る。 「いいの。皆が最後まであの世界で生きてくれれば」 そうか、とハデスは返して私を一層抱きしめる。 「苦しいんだけど」 「ずっと見ていただけだったのが妻になったのだ、別に良いだろう」 「もうここに来て大分経つじゃない」 「待っていたのはもっと長かった」 そういって頭をぐりぐり顔に押しつけてくるので仕方なく頭を撫でる。 二人の時はこうやって甘えてくるので弱い。 無理矢理の婚姻も、ハデスが自分なりに私を慈しもうとしていたのがわかっていたから受け入れられた。 ハーディスを外に出すのも私を気遣ってだとわかっている。 彼も同じ月日、思っている私の死をずっと見届けてくれた。 きっと私が一番欲しかったのはこの人達が与えてくれている。
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