『誰にも言えない秘密』

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『誰にも言えない秘密』

 この世から僕が居なくなるその日まで、この話はしないでおこう。そう決めたのに…。「なぜだか君には話しておきたいと思ったんだ。会った瞬間から。あの夢のようなアメリカでの3年間の、特に最初の1年目のことを。君だけに。他の人には絶対に言いふらさないでほしい。僕と君だけの秘密のお話だ。それじゃ、いくよ。」  僕は和馬。当時16歳にして、まだおねしょをしているようなやつだったんだ。高校に上がるまでにはなんとかしたいと思っていた。そんな時、父親の仕事の関係で、アメリカニューヨークに行くことになったんだ。もし日本の高校に上がっていたなら僕は「寝小便野郎』と言われてもおかしくなかった。半ば諦めていた。いずれ話題になったらきっとからかわれるだろうって。それがアメリカ、ましてニューヨークと聞いた途端、「1人ぐらい僕と同じ類いの奴がいるんじゃないか」って少しだけ希望が持てたんだ。
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