ノラとの共同生活

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「けい……た……?」 思わず呟いた瞬間 「海? 大丈夫か?」 と、ノラの声に我に返る。 右手の甲を額に当ててると、深く息を吐き出した。 「夢……か……」 そう呟いた俺の右手首を掴むと 「大丈夫か? 凄くうなされていたよ」 と、ノラが心配そうに俺を見下ろす。 言われてみたら、確かに全身汗でびっしょりと濡れている。 「凄い汗だな」 そっと額に触れたノラの手の熱さにドキリとしてしまい、誤魔化すように起き上がり 「シャワーを浴びて来る」 と言い残して浴室へと歩き出すと、ノラが 「海!」 と呼び止めた。 ノラが珍しく声を荒らげたのに驚いて振り向くと、ノラはキュッと唇を引き結んでから俯いてしまう。 (どうしたんだろう?)と首を傾げると、ノラは悲しそうな笑顔を一瞬浮かべてから 「ごめん、なんでもない。ほら、汗が冷える前にシャワーを浴びて来なよ」 そう言うと、布団に横になってしまう。 「ノラ、起してごめんな」 浴室のドアノブに手を当てながら言うと、ノラは手だけをヒラヒラと振って 「先に寝るね、おやすみ」 と答えて布団を被ってしまった。 こんな時、どうしたら良いのか分からなくて戸惑ってしまう。 俺は、後ろ髪引かれる思いで浴室へと足を踏み入れた。
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