非人界 5

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非人界 5

 女は、手に提げていたビニール袋を俺に差し出した。ビニール越しにも、やばそうなものは入っていなさそうだったので、俺は素直にそれを受け取った。  中には、ペットボトルのお茶に、高菜とツナマヨのおにぎり、みかんゼリー、プリン、シュークリームが入っていた。  随分、スイーツが多いな・・・と思っていると、女が俺の気持ちを察したらしく 「あ、甘いのは、全部、昨日のエサの残りなの。苦手だったら、ごめんなさいね」 と、笑顔で謝った。 「エサ?」  スイーツがエサってなんだ? と思い、思わず聞き返していた。  すると女は、 「気にしないで。どっちにしろ、全部、コンビニで買ったものだから安全よ。賞味期限もまだのはずだし、食べたいものを、どうぞ、食べて」 と言った。
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