非人界 10

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非人界 10

 でも、妖怪や幽霊のくだりについては、全然信じていなかった。もしかしたら、ここは、何かの宗教団体の集会所みたいなところなのかもしれないと思った。  亜紀子さんは、説明を続けた。 「で、私は、ここの従業員」 「従業員?」 「そう、非人界で働いているのよ」 「働くって・・・具体的には、なにを・・・?」 「私の場合は、人界に逃げた妖怪や幽霊を、非人界に連れ戻すのが主な任務ね」  そこで亜紀子さんは「あ、人界っていうのは、普通の、人間の暮らしている世界のことね」と付け加えた。 「でも、最近、新しい任務が増えてね。人手が必要になったの。そこで、朋佳さんがあなたを見付けてきたわけ」 「それ・・・誰? 朋佳って・・・」
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