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始まり 3
俺は、洗面所で手や顔についた血を洗い、汚れた服を脱ぐと、自分の部屋に戻って新しい服に着替えた。そして、逃亡用に用意していたリュックと、親父の車のキーを持って外に出た。
親父の車を発進させ、家を出る。
家の中は静かだから、すぐには警察に発見されない自信があった。でも、用心のため、高速道路は使わず、ライブカメラもあまり無さそうな、なるべく目立たなそうな道を選んで走った。
東京に入ると、深夜、適当な河川敷を見付けて、そこに車を乗り捨てた。
それからずっと歩いて、今、どこか分からない町の路地にいる。
まあ、どこでもいい。この町がどこの町だろうが、どうでもいい。
それにしても、困ったことが二つある。
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