始まり 4

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始まり 4

 一つは、先に言ったとおり、スマホの充電が切れたこと。  まさか、スマホのバッテリー残量が少ないタイミングで、親が、あの誓いのセリフをほざいてくるとは。  一から十まで腹が立つ。  殺すのは一回じゃ足りない。二回、いや、五回は殺してやりたいくらいだ。  もう一つ、困ったことは、財布の中の現金が少なかったこと。  この日に備えて、現金をたくさん財布に入れていたつもりだったのに、つもりなだけで、全然入ってなかった。  俺の手持ちの金は、現在、なんと二千円。  もう、これ、野宿決定じゃん。  真冬なのに、凍っちゃうよ!  飯代だって、いつまで持つか・・・。  ATMに行っても、俺の口座には、ほとんど金が入っていない。  この計画を立てた時から、親父やお袋の財布から失敬して、金を貯めていた・・・つもりだったのに・・・。  これが、俺のダメなところだ。肝心なところで爪が甘いというか、抜けているというか・・・。
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