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天地開闢
そこには何もなかった。
あるのは幾重にも重なった泥の層。
混沌
これ以上も以下でもない。
ただこの世は混沌としていた。
この万物の根元、泥のことを道(タオ)と呼んだ。
紀元一年
ここに盤古が生まれた。
盤古が生まれ、大地が割れ始めた。
天は一日に一丈ずつ高さを増した。
地も次第に厚くなってゆく。
全ての境にいた盤古も一日に9度も変えながら、1丈ずつ成長していった。
紀元一万八千年
盤古は背丈が九万里の大巨人となり、計り知れない時がたった末に死んだ。
盤古が死ぬと、その死体の頭は五岳に、その左目は太陽に、その右目は月に、そこ血液は海に、その毛髪は草木に、その涙は川に、その呼吸が風に、その声が雷になった。
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