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3.入れ替わり 2日目
家の中で食べ物を探している夢を見ていると、急に体が重くなった。
何故だろうと思っているうちに、夢の情景が消えて、目が開いた。
部屋のカーテンの隙間から朝日が差し込んでいる。
確か、ソファの上で寝たはずだが、どういう訳か、今は床に寝転がっている。
寝相が悪くて、床に落ちたのかと思っていると、トンと音がして、目の前に猫が着地し、体が軽くなった。
――猫?
よく見ると、ココミだ。ココミが目の前にいる。
――と言うことは?
「えっ!?」
叫び声を上げた私は、起き上がった。
それから、顔や体を両手でペタペタと叩き、履いていた靴を脱いで、玄関の姿見まで走る。
間違いない。鏡に映っているのは、私だ。
――人間に戻った。
「良かったぁ!」
喜びを爆発させた私の所へ、ココミがやって来て、私の笑顔を見上げる。
いつの間に、呪いが解けたのだろう。
でも、そんな事は後回し。
私は、急いで台所へ向かい、コップを手に取る。そして、蛇口をひねって、水をなみなみと注ぎ、それを一気に飲み干した。
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