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病院で「感染症ではない」という当たり前の結果をもらって帰宅した後、部屋中をくまなく調べたが、呪術的なアイテムは皆無だった。
原因が分からないまま、時は無情に過ぎていく。
こうなったら、事件が最初に起きた現場に戻ってみるのが一番で、玄関のマットの上に腰を下ろして考えた。
――ここで眠りこけたら、体が入れ替わった。次に、向こうの部屋で寝たら、また入れ替わった。
ってことは、「寝る」という行為がトリガーなのか。
――ならば、寝ると、またまた入れ替わる。
途端に、胸騒ぎがした。
入れ替わりのループなんて、考えただけでも恐ろしい。
そこで、万が一に備え、食料と水を、猫の手でも届くテーブルの上へ置くことに。
ビスケットやクラッカーを袋から皿へ移し、フワッとラップをかける。
すると、興味津々のココミがテーブルの上に飛び乗ったので、「だーめよ」と抱えて床へ降ろす。
それから、キャットフードの袋も、湿気ないように軽く封をしてテーブルの上に置いた。
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