猫と私の交換日記～誰がかけたの、この呪い。一日おきに猫と体が入れ替わる私の奮闘記～

3．入れ替わり 2日目

「そうだ。水も」

　大きめのボウルに水を入れて、これもテーブルの上に。何だか、断水に備えている気分。

　さらに、ココミに冷蔵庫の開け方を覚えてもらおうと、まず、四つん這いになり、つかまり立ちして、扉を開け閉めするのを実演する。

　人間になった猫なら、このくらいは出来るだろうと期待して。

「覚えましたかー？」

　ジッと私を見るココミは、何だか、『そんな事、出来ない』と言いたそうな顔をしている。

　やはり、俄(にわか)仕込みでは、無理そうだ。