3人が本棚に入れています
本棚に追加
――なら、二人で飢え死にするの?
頭を振った私は台所へ走り、駄目元で、水道の蛇口をひねることに挑戦。
失敗したので、次は冷蔵庫を開けることにチャレンジ。
だが、こちらも撃沈。
物音を不審に思って台所まで這ってきた「私」に見つめられながら、次の策を考える。
――助けを求める。
誰かを呼んできて、この猫人間状態の「私」を見てもらい、まずは水と食糧を与えてもらう。もちろん、私にも。
猫の私がどこまで訴えられるか分からないが、状況から、何となく相手は想像が付くだろう。
そこで、玄関まで行って解錠を何度も何度も試みるが、歯がゆいほど上手くいかない。
窓の方も同じだ。
誰かが気付いてくれないと餓死すると思った途端、涙が出そうになった。
と、その時、
スマホのバイブ音が玄関から聞こえてきた。
最初のコメントを投稿しよう!