#2 案内人 鈴木太一

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鈴木「・・・」 鈴木はポケットからタバコを取り出した。 銘柄はセブンスター。 一本咥えて火をつける。 吐かれるタバコの煙。 鈴木「断りを入れてなかったな。タバコは平気か?」 相良「えぇ、大丈夫です。」 鈴木「お前も吸うか?」 相良「・・・いや、やめておきます。」 鈴木「そうか・・・まぁ吸わなくていいなら、それに越したことはないな。」 鈴木はもう一度煙を吐いた。 慣れない匂いだが、特に不快ではない。 相良「・・・ところで、叢雲さんが出した条件ってなんですか?」 再び同じ質問を行う。 鈴木「あぁ・・・ここからが話の本題だ。」 相良「本題?」 鈴木「叢雲が出した条件ってのは、後にお前が知り得た情報を自分達にも渡せ、その情報についてどう使おうが好きにさせろ。それが叢雲の出した条件だ。」 相良「俺が、知り得た情報?」 鈴木「感の悪い奴だな。俺がまだお前に話してない事があるはずだ。」 悪かったな、寝起きで頭がまだスッキリしないんだ。 腹も減ったし。 鈴木「お前の両親についてだ。」 相良「!!」 鈴木「大國は、お前の両親についてその全てを知っている。全てをお前に話す必要があると、そう思っている。」 相良「それはなんですか?俺の両親について何を知っているんですか!?」 鈴木「その事は、俺も知らない。叢雲も尾賀もそうだ。」 相良「・・・」 鈴木「大國はお前に対して、全てをかけてケジメをつけようとしているという事だ。」 相良「ケジメ・・・」 鈴木「あぁそうだ。俺はその為にお前を守り、大國の元へと送り届ける。安心しろ、大國はお前を殺そうとしている訳じゃねぇ、万が一にそうなったら俺が絶対に守ってやる。」 相良「・・・」 鈴木「どうした?」 相良「・・・」 なんだ? このイライラする感覚は? タバコの煙が不快になっている訳じゃない、空腹でもない。 そう、ケジメだ。 なんだよそれ?何かっこ付けてんだよ。 ここまでの話と、鈴木さんの口調を聞いて、ある程度察する事もできる。 そんなの・・・ 絶対に良くない話じゃないか。 それをケジメとか言って自分を肯定させようとしてくる。 大國という男がどんな野郎か知らないが・・・ 相良「鈴木・・・さん。」 鈴木「なんだ?」 相良「ケジメとか言って、正直かなりムカつきます。・・・大國のところまで案内してください。一発殴っても、それは構わないですよね?」 鈴木「・・・あぁ。好きにしろ。」 俺は拳を握りしめて誓った。 絶対に全力で最大の一撃を顔面に喰らわしてやる。 絶対にだ・・・必ず・・・ 鈴木「・・・と言っても、今は大國からの連絡待ちだ。」 相良「連絡?」
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