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鈴木「・・・」
鈴木はポケットからタバコを取り出した。
銘柄はセブンスター。
一本咥えて火をつける。
吐かれるタバコの煙。
鈴木「断りを入れてなかったな。タバコは平気か?」
相良「えぇ、大丈夫です。」
鈴木「お前も吸うか?」
相良「・・・いや、やめておきます。」
鈴木「そうか・・・まぁ吸わなくていいなら、それに越したことはないな。」
鈴木はもう一度煙を吐いた。
慣れない匂いだが、特に不快ではない。
相良「・・・ところで、叢雲さんが出した条件ってなんですか?」
再び同じ質問を行う。
鈴木「あぁ・・・ここからが話の本題だ。」
相良「本題?」
鈴木「叢雲が出した条件ってのは、後にお前が知り得た情報を自分達にも渡せ、その情報についてどう使おうが好きにさせろ。それが叢雲の出した条件だ。」
相良「俺が、知り得た情報?」
鈴木「感の悪い奴だな。俺がまだお前に話してない事があるはずだ。」
悪かったな、寝起きで頭がまだスッキリしないんだ。
腹も減ったし。
鈴木「お前の両親についてだ。」
相良「!!」
鈴木「大國は、お前の両親についてその全てを知っている。全てをお前に話す必要があると、そう思っている。」
相良「それはなんですか?俺の両親について何を知っているんですか!?」
鈴木「その事は、俺も知らない。叢雲も尾賀もそうだ。」
相良「・・・」
鈴木「大國はお前に対して、全てをかけてケジメをつけようとしているという事だ。」
相良「ケジメ・・・」
鈴木「あぁそうだ。俺はその為にお前を守り、大國の元へと送り届ける。安心しろ、大國はお前を殺そうとしている訳じゃねぇ、万が一にそうなったら俺が絶対に守ってやる。」
相良「・・・」
鈴木「どうした?」
相良「・・・」
なんだ?
このイライラする感覚は?
タバコの煙が不快になっている訳じゃない、空腹でもない。
そう、ケジメだ。
なんだよそれ?何かっこ付けてんだよ。
ここまでの話と、鈴木さんの口調を聞いて、ある程度察する事もできる。
そんなの・・・
絶対に良くない話じゃないか。
それをケジメとか言って自分を肯定させようとしてくる。
大國という男がどんな野郎か知らないが・・・
相良「鈴木・・・さん。」
鈴木「なんだ?」
相良「ケジメとか言って、正直かなりムカつきます。・・・大國のところまで案内してください。一発殴っても、それは構わないですよね?」
鈴木「・・・あぁ。好きにしろ。」
俺は拳を握りしめて誓った。
絶対に全力で最大の一撃を顔面に喰らわしてやる。
絶対にだ・・・必ず・・・
鈴木「・・・と言っても、今は大國からの連絡待ちだ。」
相良「連絡?」
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