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鈴木「あぁ、待ち合わせの時間と場所を指定してくる筈だが・・・まだ連絡がない。」
鈴木はスマホを取り出して画面を覗き混むが、期待していた通知は無く、すぐにポケットにしまう。
一通りの話は終わった。
あとは大國待ちという状態だ。
ここで、俺は気になっている事を鈴木さんへ質問をしてみる。
相良「あの、鈴木さん。いくつか質問をしてもいいですか?」
鈴木「ん?あぁ・・・なんだ?」
相良「ここは何処ですか?」
気持ちも落ち着いて冷静になった時に、この事務所の様な場所が気になった。
鈴木「ここは歌舞伎町の東誠警備が使っている待機所だ。と言っても、今ここにいるのは俺とお前だけだ。」
相良「そうですか・・・あと、鈴木さんって何者なんですか?」
鈴木「・・・俺はただのタクシー運転手だ。今回の仕事はアルバイトみたいなもんだ。尾賀もそうだっただろ?」
相良「それは、本当ですか?」
鈴木「あぁ、本当だ。」
本当にタクシー運転手だろうか?
風貌や太刀振る舞いは、タクシー運転手からかけ離れすぎている。
屈強な体型に、何度も戦ってきたかのように喧嘩もバカ強い。
タクシー運転手というより、どちらかというとヤクザの方がしっくりくる。
いや・・・待てよ。
東誠警備は元極道組織だから、そこからアルバイトで雇われていると言っているが関係はあるという事だよな?
となると、この人は一般人とは思えない。
過去形か現在進行形かは測らないが、鈴木さんは正体を隠している。
鈴木太一というまるで取ってつけたかのような名前も、偽名の可能性が・・・
???「志流さぁーん!!お待たせしました!!」
鈴木「!?」
相良「え?・・・シリュウ?」
事務所の扉を豪快に開けて、デカい声で誰かが入ってくる。
誰かというか、この声は聞き覚えがある。
???「よ!!やっと起きたのか?結構寝てたな。」
相良「尾賀さ・・・」
鈴木「尾賀ぁ・・・」
尾賀「あ?どうしたんだ?」
何故か鈴木は不機嫌になっている。
尾賀さんが入って来た時にシリュウとか言っていた気がするが。
鈴木「・・・」
尾賀「・・・」
沈黙しているが、睨む鈴木さん。
なんだ?と疑問に思う尾賀さん。
尾賀「俺、なんか言った?」
相良「さ、さぁ?そういえば、尾賀さん、シリュウってなんですか?」
尾賀「え?いや、それは・・・」
鈴木「・・・」
その瞬間、尾賀さんは何かに気がつき、顔面が青白くなる。
尾賀「し、シリュウ?あぁ、いやあれだよ。そのーし・・・資料!!そう資料が3つって意味だ!!」
相良「えぇーー・・・」
こんなに誤魔化してくいるのが解りやすい誤魔化しは初めて見た。
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