#2 案内人 鈴木太一

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大國「足・・・ですか・・・」 鈴木「何か手はあるのか?」 大國「はい、実は昔にあるツテから買い取った物があります。それを使えば、奴らの包囲を突破する事が出来ます。」 鈴木「買い取った物?それはなんだ?」 大國「見ればすぐにわかると思います。それは歌舞伎町ヒルズの地下立体駐車場に保管しています。そこの警備も内の社員がやってますが、その社員に合言葉を言えば、その物を用意してくれるはずです。」 鈴木「合言葉か・・・随分ともったいぶるじゃねぇか。」 大國「えぇ、合言葉は、『福がいるのは丘か?』と質問します。すると向こうは『いいや中洲にいます。』そして最後に『走り屋だ』と答えてください。」 鈴木「ややこしいな。」 大國「えぇ、買い取った相手の意向です。」 鈴木「・・・わかった。」 大國「歌舞伎町ヒルズまでは距離があります。今は閉鎖されてますが、あのルートがいいかと思います。」 鈴木「あぁ。そうだな。」 大國「それでは、よろしくお願いします・・・」 プツ。 鈴木「・・・」 電話での会話が終わった。 大國は一体何を言ったのか? 鈴木さんの会話だけを聞くと、何処かに移動するようだったが・・・ 相良「大國は・・・なんて?」 鈴木「奴は今お台場にいる。そこまでお前を連れて行く。」 相良「お台場・・・ですか。」 鈴木「あぁ、まずは足を手に入れる。その為には歌舞伎町ヒルズの地下立体駐車場へと向かう。」 尾賀「こっから歌舞伎町ヒルズか。歩いて行くとここから歌舞伎町を横断するようになるが、上手く抜けれるのか?」 鈴木「・・・」 鈴木さんは立ち上がり、事務所の奥に並べられたロッカーを開けて、中を物色していた。 鈴木「・・・これぐらいか?相良。」 鈴木さんから何かを投げ渡される。 それは、ビニールに梱包された真新しい紺色の作業服だった。 鈴木「そいつに着替えろ、奴らはお前の服装や特徴も把握している。気休め程度かもしれないが、少しはマシだろう。」 相良「・・・わかりました。」 俺は砂色のコートを脱ぎ、代わりに作業服を着る。 砂色のコート、結構気にいってたんだけどな、でも結構汚れたから、このタイミングで洗濯でもするか。 作業服のサイズは丁度いいぐらいで、動きやすくて軽い、これはこれでいいかも。 それにしてもお台場に来いか、ケジメをつけたいなら、そっちから会いに来るのが筋じゃないのか? 冷静に考えれば、立場上やむを得ないのかもしれないが、大國に対する怒りゲージが二割増しだ。 尾賀「さてと。」
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