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鈴木「尾賀、世話になったな。お前がいなければ、相良を保護する事は難しかった。」
尾賀「いやいや、そんな事はねぇよ。まぁ、まさか東誠警備に潜入してるとは思わなかったけどよ。」
相良「尾賀さん、行くんですか?」
尾賀「まぁな。できれば俺も事の顛末、大國がお前に何を話すか知りたいし、それでお前がどするのか心配な気持ちもある。」
相良「・・・」
尾賀「俺も一度は東誠警備を疑っていた。けどな、あんな顔の伊邪無さんは初めて見た。」
相良「伊邪無・・・」
伊邪無五郎、東誠警備の幹部で元東誠会の伊邪無組組長。
俺と叢雲さんと東誠警備に侵入した時、何度も戦った人物。
イメージは掴みどころない、狂人、快楽嗜好主義。
そんな人間だった。
それが、尾賀さんの話であんな顔をとゆうのは、どんな顔だというのか?
少なくとも、尾賀さんの疑いは晴れたようだが・・・
尾賀「大丈夫、東誠警備はしっかりお前の事を考えている。そこは安心しても大丈夫だ。何せ、最強の人間がお前の護衛についてるぐらいからな。」
鈴木「・・・」
尾賀「俺は、色々とやることがあってな。こっからは一緒に行けない。後はよろしくな、し・・・鈴木さん。相良も頑張れよ。」
鈴木「あぁ、任せておけ。」
相良「尾賀さん、ありがとうございました。」
尾賀「おう!!それじゃあな。」
尾賀さんは去り際に片手を上げて別れの挨拶をし、扉を開けて外へと出ていった。
鈴木「・・・さて。準備はいいか?」
相良「・・・はい。」
尾賀さんが出ていってしばらくした後、俺と鈴木さんは事務所を出た。
改めて状況を整理すると、大國に会うためお台場のホテルへと向かう。
その為に必要になる足を回収するために、歌舞伎町ヒルズの地下駐車場を目指す。
だが、現在歌舞伎町には俺を狙う山田仁率いる死霊跋扈が大勢で俺を探し回ってる。
俺の護衛と大國真司までの案内。
それが、今一緒にいる鈴木さん。
こんなところだな。
外階段を降りてビルの裏手へと降りる。
裏路地から表通りにでる前に、鈴木さんが引き止める。
鈴木「相良、一つアドバイスだ。」
相良「アドバイス?」
鈴木「あぁ、奴らは恐らくお前の顔や特徴を伝達されている。何せ、お前だけを探しているからな。
だが、奴ら一人一人は刑事でもなければ、人探しのプロでもない。プロは人の目でそれが探している人物か、何か犯罪をしている人物か判断すると言うのを聞いたことがある。もう一度いうが、奴らはプロじゃない。伝達されている特徴に近い人物か、何となく怪しい動きをしている人間が標的になる。」
相良「成程、それで俺はどうすれば?」
鈴木「普通にしてろ、あたりをキョロキョロするな、不自然に警戒するな。ただ、道を普段通りに歩け、それだけだ。」
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