17人が本棚に入れています
本棚に追加
「どこの!!」
深田「横浜の・・・です。」
「成果は!!」
深田「せせせせせいか・・・な・・・ないで・・す。」
「・・・」
深田「・・・」
「何やってんだこのボケごらワレェえええ!!!!!」
深田「ヒィ!!」
「今すぐ事務所来い!!」
深田「今から事務所・・・ですか?」
「午前6時、今から電車で7時には着けるだろ!!」
深田「え・・・っと、もう少し後には・・・できませんか?」
「はぁ?」
深田「まだ・・・その、朝ごはんを食べてなくて・・・」
「朝ごはん?」
深田「はい!!このホテルの朝ごはんすごく美味しいんですって!!私それが楽しみでこのホテルに泊まったんです!!」
「・・・」
深田「・・・」
「何考えてんだこのボケかすがァアアアああああ!!!!」
深田「ヒィイいい!!」
「そんなもん電車ですませろ!!いいから早く来い!!」
深田「は、はい・・・わかりました。」
プツ
電話が切れた。
その画面を見ながら深田はこう思う。
深田「鬼畜・・・」
深田は準備を秒で整え、ホテルのフロントへ駆け込みチェックアウトを済ませた。
その時、フロントスタッフに朝食のテイクアウトを懇願し、何とかサンドウィッチを頂けた。
現在時刻は6時10分
これまでの工程をたっ10分で済ませた事も驚きだが、駅へ向かうスピードも凄まじい。
運動靴を履いている深田は駅まで全速力で駆け込む。
改札にスマホをかざして、駅に入り、今にも発車しそうな電車へ飛び込む。
今の時間は6時15分。
ここから鬼畜先輩が待ち構えるオフィスに最寄りの東京駅までは、大体30分。
何とか7時までには到着できるだろう。
安堵した深田は、まだ空席の多い電車の椅子へと腰掛け、ホテルから頂いた朝食の箱を開封する。
そこには、出来立てでまだ暖かく、野菜や卵で彩られたサンドウィッチが顔を出す。
深田「まだ混んでなくてよかったぁ!!さてさて、いただきます!!」
口の中にサンドウィッチを放り込む。
深田「おいしぃいいい!!」
空席でまだ人がいない事をいいことに、マナーなど関係なく味わう。
深田「これを味わえただけでも満足だわぁ。」
実に満足気に完食する。
そして、深田はカバンの中からタブレット端末とキーボードを取り出し、画面を確認する。
深田「それにしても、本当にどこ行っちゃたんだろう?」
しばらく時間が経過し、駅に電車が寄る度に、電車に乗り込む人数が多くなった。
その事に気がついた深田は、少し嫌悪感を頂きながら、タブレット端末とキーボードをカバンに戻し、座席から立ち上がって吊り革へと手を伸ばす。
最初のコメントを投稿しよう!