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憤怒する鬼畜先輩の放つ怒鳴り声は、直接暴力を振るわれてるだけの衝撃がある。
深田は悲鳴をあげて涙目となり、距離をあけている社員達全員の肩がすくむ。
「普通!!」
バン!!
机を平手で叩く鬼畜先輩
「遅れるなら!!」
バン!!
「社会人として!!」
バン!!
「連絡するのが筋だろうがァアアア!!」
深田「ごめんなさい!!一分一秒でも早く着く為に、連絡をする時間を惜しみました!!」
「俺に言い訳とはいい度胸してるなァアア!!」
深田「はい!!」
「かぁ〜・・・はいか、はいと返事するのか。」
深田「はい!!」
「まぁ、下手に言い訳するよりはマシだな。」
深田「ど、どうもぉ・・・」
「で?」
深田「でぇ?」
「・・・」
深田「・・・」
「報告だよ報告!!相良剣一とは接触できたのかって聞いてんだ!!」
深田「それが・・・カクガクシカジカ・・・」
「相良剣一が出る当日に、少年院前で待機してたら不良が大勢集まってしっちゃかめっちゃかで接触できなかっただと?」
深田「はい・・・本当に現場は騒然としていて、インタビューどころではなかったです。」
「・・・」
深田「・・・」
「馬鹿かお前は!!!!」
深田「ヒギ!!」
「不良が来るのは当たり前だ!!お前だって多少は相良剣一について事前に調べただろうが!!だったら、相良がやった事に対して不良連中が大勢返しに来んのは予想できるだろ!!その前に少年院の人間に話を通して、出所前に面会とか頼み込めばいいだろうが!!それはしたのか!?」
深田「し、してないです・・・」
「本当お前は記者として、ずる賢さ、根回し、したたかさが全然ねぇな!!あるのは自衛隊で鍛えた体力と根性だけか!?」
深田「あ、あざぁす。」
「褒めてねぇよ!!」
深田「ヒ!!」
「で、その様子だと、結局相良とは会えてなさそうだな・・・」
深田「はい。色々と聞き込みをしてみたいなんですけど、接触はできていません。でも、やっぱり彼はすごいですね。横浜の半グレをたった1日で壊滅したみたいですよ。」
「それは知ってる。」
深田「あぁ、そうなんですね。でも、一つ気になったんですけど・・・」
「なんだ?」
深田「どうして相良を取材するんですか?彼の事件は6年前ですよね?当時は有名な事件で30人の不良を殴り殺して逮捕された。けど、相良は恋人を守る為に戦って、相手は武器や凶器を持つヤクザも混じった暴力集団。そこで情状酌量の余地があるとして、無罪は無理でも、異例の少年院で事は収まった。当時は話題性も十分でしたが、6年たった今に、またどうして相良を追うんですか?」
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