#6 埋め合わせが出来ない孤独

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それは午前零時、突然起こった。 歌舞伎町のほぼ全ての店舗から、外国人が店で暴れているという通報が次々と発生。 突発的に、かつ、多角的に発生したそれは、警察では対処しきれず、町は一気に混乱に落ち入る。 そんな中、叢雲探偵事務所へも助けを求める連絡が届いた。 シャロロにいた叢雲と弥田は、急いで町に飛び出ようとしたが、そのアジア系外国人は古びたゲームセンターであるシャロロにも襲来し、その折、店長である西が負傷を負う。 何とか暴漢を撃退した叢雲と弥田の二人は、歌舞伎町を襲うアジア系外国人の集団と戦い、巡り巡って現在では天下一通りにたどり着いた。 弥田「こいつら、中国人だよな?結構前に歌舞伎町から手を引いたんじゃなかったか?」 叢雲「あぁ、どうして今更?」 弥田「ター坊もわかんねぇか。」 叢雲「そうだな。警察も手一杯みたいだし、ここは善意の民間人が正当防衛って事で頑張りますか。」 弥田「けど、キリがねぇな。このままじゃジリ貧だぜ。」 叢雲「あぁ・・・全部は無理でも、出来るだけの事はしよう。」 弥田「そうだな・・・ったくこんな時の東誠警備と死霊跋扈じゃねぇのかよ。」 叢雲「あいつらを宛てにするのは止めよう・・・」 長い時間、大勢をたった二人で相手をしていた為、体力の消耗は激しく、このままでは、自分達が保たない。 頃合いを見て一旦引く事を考えていた。 だが、それが出来ない。 何故ならば、中国人の襲撃は止まる事はなく、ここで引いてしまったら、奴らは好き勝手暴れ、多くの住民に被害が出る。 それは、歌舞伎町で探偵業を営む叢雲にとって、そう簡単に引ける状況じゃない。 叢雲「やべぇ・・・な。」 そう愚痴を溢した時。 ???「とおーーー!!」 弥田「なんだ!?」 突然、空から漆黒の影が舞い降り、暴徒の中心で竜巻の様に回転、多くの暴漢を吹き飛ばし、凪と飛ばす。 ???「・・・」 叢雲「な!?何だあれ!!」 突然の事に驚きを隠せない二人。 それをやり遂げた黒い影は、全身を黒いスーツで身を包み、片手には血に染まったドスを持ち、何よりも目を引くのは、素顔を覆い隠す恐ろしい顔つきの般若の面だった。 威圧感でいうと充分すぎる程で、敵である中国人の暴漢を一掃した事は味方であると思いたいが、その恐ろしい見た目から、どうも素直に思えない叢雲と弥田。 叢雲「だ、誰だ?」 ???「ふっふっふ・・・」 不適な笑みを浮かべる般若の男。 ???「正義の味方!!ハンニャマン!!参上!!」
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