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鈴木「この騒動の原因はお前達か?目的は何だ?」
「う・・・う・・・」
鈴木の放つ覇気で、鈴木に掴み上げられる中国マフィアと思われる男は、恐怖と殴られた激痛で今にも気を失いそうだった。
鈴木「答えろ・・・」
「コロセ・・・コロセ・・・」
自ら殺らされる事を望む男は、一向に有益な情報を吐くとは思えなかった。
鈴木「・・・」
死ですら覚悟する男に顔を近づけ、無言でより一層強い睨みを向ける鈴木。
薙島「・・・無駄みたいやな。こいつらはそこらのチンピラとはちゃう。訓練された人間や、指の骨全部追っても情報は吐かんやろうな・・・」
鈴木「・・・ち。」
冷静に状況を見た薙島と違い、歌舞伎町を混乱に陥れ、多くの人間に被害を出したこの男への怒りから、鈴木は強烈な止めの拳を男に叩き込む。
その衝撃は凄まじく、男は建物の中に乱雑に散らばった椅子や机等の家具を破壊しながら遠くまで吹き飛んだ。
結局、この騒動が何故起こったのか?こいつらの目的はいったい何のか?何一つ解らないままで、苛立ちという感情だけが湧いてくる。
薙島「しゃあない。ここは兄弟に任せて、一旦引くで。」
鈴木「・・・あぁ。」
こうして、何か有益な情報も得られないまま、鈴木と薙島はアジア街を出て行く。
ーーー
午前11時 歌舞伎町 天下一通り
山田「これは・・・俺がいない間に何があった?」
荒れ果てた町の中、ただ呆然と立ちすくむ死霊跋扈総長の山田仁。
ガラスが破られ、ゴミや瓦礫が散らばり、道端には怪我をした住人、破損が酷い店舗には黄色い規制線が貼られ、状況見聞で訪れた大勢の警察官と、手当てをする救急隊員と医者や看護師。
まるで、戦争でもあったかの様な事後の状態に、驚きを隠せない山田。
「総長!!」
状況が飲み込めないまま、死霊跋扈のメンバーと思われる長身の男が山田に駆け寄ってくる。
「まだ病院を出たらダメじゃないですか!!」
山田は、昨日起こった相良の大追跡の時、高速道路の上をバイクから転倒し慢心相違の状態だったが、幸いにも大きな怪我は無く、過度の肉体酷使が原因で病院に運ばれていた。
普通の人間なら絶対安静で、少なくとも一週間は病院で治療を受けなければならない。
山田「俺は大丈夫だ。大した事じゃない。」
「そんな訳は・・・」
山田「寝たら治ったんだ。お前がすぐに運んでくれたおかげだ。」
「いやいや、当たり前の事をしただけですけど・・・」
山田「・・・そんな事より、これはいったい何があった?」
「それは・・・」
山田の舎弟は昨晩起こった歌舞伎町での騒動を山田へと説明した。
山田「そんな事があったのか・・・中国人の集団・・・か。」
「えぇ、なんの前触れも無く突然。」
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