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山田「・・・肝心な時に俺達は何の役にも立たなかった・・・という事か・・・。」
「それは・・・」
死霊跋扈は、山田の強烈な私怨により、全ての団員を相良追跡に回した結果、総長である山田も病院に運び込まれて、大勢の団員もすぐに動けない状態になった。
その為、この騒動に対して何の対処もできなかった。
死霊跋扈の本来の目的は、かつて、極道としてこの町の守っていた東誠会に変わり、暴力をもってしての防衛である。
その役割がなされなかった事に、山田は責任を感じていた。
だが、このまま反省をしていても、事態は好転する事はない。
山田「動ける団員に伝えろ。歌舞伎町を巡回し、不審な奴がいたらマークしろ。」
「わかりました。」
山田「それと、この騒動を収めた人間がいるらしいな。」
「はい・・・誰かはわかりませんが、ドスと般若の仮面が特徴の男と、2人組の男が主に戦っていたと聞いています。」
山田「・・・そうか。」
「総長は、どうしますか?」
山田「俺は、少し寄る場所がある。何かあったら知らせろ。」
「はい。それでは、お気をつけて。」
山田の舎弟は、スマホを手に取り、山田からの指示を伝達させる。
山田は一人で細い路地を通る。
しばらく歩き、目的の場所にたどり着いた山田は、ビルの2階にある叢雲探偵事務所を見上げる。
階段を登り、事務所の扉をノックもせずに開けると、中では叢雲と弥田の二人が狭い部屋のソファーに寝そべり爆睡していた。
山田「・・・」
休んでいる二人の事もお構いなしに、叢雲の足を小突いた。
山田「おい、起きろ。」
叢雲「・・・」
山田「・・・」
だが、叢雲が目を覚ます気配はない。
山田はさっきよりも強い力で、叢雲が横になっているソファーを蹴る。
叢雲「ぬお!!」
弥田「何だ!?」
振動で飛び起きる叢雲と、つられて目を覚ます弥田。
山田「いつまで寝てんだ。もう昼だぞ。」
叢雲「随分なご挨拶だな・・・こっちは疲れてんだよ。・・・って・・・お前は・・・」
寝起きの低血圧でかなり不機嫌そうな叢雲だが、突然現れた礼儀も無い輩の顔を見て、何故ここに山田がいるのか疑問に思う。
弥田「あ?」
弥田も目ヤニで視界が悪い中、目を細め、その男が誰か確認する。
弥田「な!!山田!!」
弥田は誰かわかるや、すぐに立ち上がり、山田に詰め寄って睨みを効かせる
弥田「てめぇおいこら!!何しに来やがったこの野郎!!」
山田「・・・悪かった。」
弥田「へ?」
山田の以外にも謙虚で素直に飛び出た謝罪の言葉が以外すぎて、弥田の勢いは一気に萎えた。
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