#6 埋め合わせが出来ない孤独

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叢雲「悪かったって・・・何でだ?」 山田「あんた達二人の状態を見て確信した、歌舞伎町を守ってくれてたんだろ。」 弥田「おう!!お前達が相良君に夢中になってる間にな!!」 山田「俺は別に間違った事をした覚えはないが、歌舞伎町を放っておいた結果、俺達は何の対処もできなかった。それをあんた達二人に任せてしまい、申し訳ない。」 叢雲「・・・」 弥田「ほう。まぁ、別にお前等に頼まれた訳じゃねぇし、謝られる様な筋合いはねぇけどな。で、相良君にはまんまと逃げられたんだろ。あいつの逃げ足だけは天下一品だ!!お前達が何人で追いかけても捕まえれねぇよ!!」 山田「・・・あぁ、あんたの言う通りだ。相良には逃げられた。」 叢雲「それで、彼は今どこに?」 山田「昨日の時点で大國社長にあっている筈だ・・・そっからは知らねぇ・・・」 叢雲「そうか・・・」 山田「話は終わりだ。こっからは俺達が引き継ぐ、アンタ達はゆっくりしてくれ。」 山田は用事を済ませ、事務所を出ていこうと弥田と叢雲に背を向けた。 叢雲「待てよ。」 山田「・・・」 叢雲「気に入らないな。」 山田「・・・何がだ?」 叢雲「自分の言いたい事だけ言って、さっさと出ていこうとする事だ。お前、俺達に何か後ろめたい事でもあるんじゃないのか?」 山田「・・・そんなもんねぇよ。」 叢雲「それじゃ、単刀直入に言おう。   相良君の両親を殺したのは、お前だろ。」 山田「・・・」 山田は叢雲の口から出た言葉に、眉を顰める。 弥田「は?ター坊?お前何言ってんだ?それはおかしいだろ?だってこいつは、弟が相良君に殺され・・・えっとその巻き込まれて殺されて、言わば事故みたいなもんだよな?それで復讐の為に相良君をあれだけしつこく追い回してた男が、実は親も殺してたって・・・そんなん筋が通らねぇよ。だったらこいつに復讐する様な資格はねぇだろ。」 山田「・・・何故、そう思う?」 山田は、背を向けたまま立ち止まった。 叢雲「単純な話だよ。結局、消去法で考えたら、最後に残ったのはお前だけだった。」 山田「・・・」 叢雲「当時の目撃者の証言で、容疑者は東誠会の人間に限られた。根拠は、横浜の三国同盟という半グレ集団のリーダー劉崎からの証言を、相良君からと、横浜で相良君に協力していた尾賀という人物から聞いた話だ。 東誠会で、相良君に当時強い恨みを持っていたのは仁々木組だ。だが、復讐を阻止する為に、当時会長だった大國真司は血の粛清をおこなった。最初は大國真司とその幹部も容疑者と考えていたけど、相良君を守ろうとした行動と証拠で辻褄が合わない。となると、残るのは・・・弟を殺されたという動機があるお前だけだ。」 山田「・・・」 弥田「まじか・・・確かに、そうだよな・・・で!!山田!!どうなんだよおい!!」
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