#6 埋め合わせが出来ない孤独

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『お前は、確かこの女に惚れてんだろ?だったら遠慮する事ねぇよ。カメラは俺が回すから好きなだけ犯せ!!』 この男は、少女をまるで道具の様に、自分の所有物の様に言い放ち、映像が乱れカメラは男の手にわたる。 そこに映っていたのは、足を開かれボロボロになる少女の残酷な姿と、一人の少年だった。 山田「これが・・・翔太・・・だと?」 山田翔太の姿が映される。 頭髪は金色に染まり、眉毛は全て刈り取られ、唇には銀色のピアスが光る。 この映像を見るまでの、山田が持っていたイメージとはかけ離れていて、真っ当で真面目な人間とは違う。 非行に走る不良の輩。 正にそういう姿だった。 だが、顔立ちは山田の目から見ても、山田翔太の顔であった。 『ほら!!やれよ!!』 翔太『はぁ・・・はぁ・・・ぐ!!』 翔太は自らの欲望を抑える事もせず、北村香奈の口へ自らの唇で喰らいつく 香奈『ん!!ん!!やっ!!んーー!!』 少女は抵抗するが、翔太は無視し、何度も貪る。 翔太『俺!!お前の事好きだったんだよ!!俺の女にしてやる!!』 更に翔太は香奈の全身を触り、弄る。 そして、翔太の陰部が、香奈へと挿入される 翔太『あっ・・・』 香奈『うっ・・・えぐ・・・お・・・』 山田「・・・狂ってる・・・」 険悪、邪悪、害悪、 悪魔・・・ 山田から見る翔太の表情は・・・悍ましく、醜かった・・・ 香奈『いや、いやいやいや・・いやァアアア!!!!!!』 翔太『はぁはぁはぁはぁはぁはぁ』 ・・・ 快楽に溺れる翔太・・・ それが、絶頂を迎えそうになる時だった。 ドン!! 倉庫の扉を開ける轟音が響く。 それは開けるのでは無く、破壊に近い。 相良『香奈!!!』 そこに現れたのは、当時16歳だった相良剣一だった。 相良はこの惨状を目の当たりにした。 相良『テメェ・・・何やってんだ!!』 相良は、集まっていた集団を蹴散らし、翔太と香奈へ駆ける。 そして、行為に及んでいる翔太の顔面を蹴り飛ばす。 翔太『がっ!?』 相良『香奈・・・香奈ァアア!!』 香奈『ひぃ・・・ヒィ・・・』 相良は香奈の汚された姿を見る。 北村香奈の意識は錯乱していて、相良の姿さえ認識している様子はなかった・・・ 相良『テメェ等が・・・テメェ等が・・・香奈を・・・こんなに・・・絶対に許さねぇ!!!!』 相良の怒りに燃える目が映り込む。 赤色に発光する・・・憤怒の眼光だった。 ・・・ それからは、カメラを持っていた男も倒れ、カメラは横向きに倉庫内の状態を映しだす。 無双 たった一人で、そこにいる全ての人間を殴り倒し血飛沫が舞う。 ・・・ そこで、映像が終わる。 叢雲「・・・」 弥田「・・・」 山田「・・・」 事務所の中は静寂に包まれる。 地獄の様な光景に、誰もが口を閉じた。
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