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昨日はテニスサークルの部内大会だった。和気あいあいと試合を楽しんだ後、盛大な打ち上げが行われた。
上位に入賞した僕は表彰があるということで、幹部クラスの人たちと近い席に通された。そして僕の隣がまさかの理香子さんになるというミラクルが起きたのである。
理香子さんはサークルの主務を務める3年生。サークルでも一番の美人と評判の女性だ。狙っている男性は数知れずと言われているし、僕も密かに想いを寄せている人だ。
いざ近くに居てみると、目鼻立ちもお人形さんみたいに綺麗だし、腰まで伸びた焦げ茶色の髪もサラサラだし、肌も真っ白すべすべだし、すらっと伸びた手足とスレンダーな腰つきも良いし、なんだかバラみたいないい香りもするし――
すっかり舞い上がってしまって、ついつい酒の量が増えてしまった。ペース配分が頭の中から吹っ飛んでしまって、なにをどのくらい呑んだのかを全然把握できていなかった。
気が付いた時には、僕は真っ直ぐ座っていることも出来なくなっていた。そのうち会長が挨拶を始めたので、ちゃんと聞かなきゃまずいと思って頬杖を突いて必死に我慢していた。が、とうとうバランスが取れなくなって、机に突っ伏してしまった。
そして、そこから先の記憶がすっぽりと抜け落ちているのである。
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