初めての猫語

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 俺は昔から猫が大好きだった。  何故かは知らないけど、猫って色んな表情を見せてくれるし家猫でも野良猫でもそれは変わらない。  よく「猫は家につき、犬は人につく」などというけれど、俺に言わせればそれはまったくもって鼻で笑ってしまうような次元の問題であり、実際 そんなことをいうやつは俺の周りには出現しないし、もしいたとしても排除している。  そういう輩は、猫の習性を誤解しているか、または犬を持て囃したいがために猫をバカにしているだけだ。  そんなある晩のこと、俺は夢を見た。  猫が神様になって俺を呼んでいる夢だった。  その顔が、昔飼っていた「タマ」にそっくりで、俺は思わず夢の中でタマを追いかけ汗をかいて飛び起きたほどだ。  俺が見た夢は精密というか精巧というか、猫神社への道のりを詳しく示してくれていて、夢の最後が俺の住んでいるアパートの前だったほどで笑ってしまった。  俺はリュックの中に財布とスマホと猫の餌を入れて家を出た。  道のりは、なぜか簡単に分かった。昨日の夢が分かれ道になると浮かんでは消え、俺は夢の通りにしただけ。
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