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「どどどどどうしよう……」
ラプンツェルは呆然と立ち尽くしていた。
手から小麦色の髪の束がはらりと舞う。断面はきれいにまっすぐで、その髪の先は窓を超えて塔の外へ伸びている。
対する本人の髪は肩より少し上でおかっぱ状態。
そう、ラプンツェルは自分の長い長い髪を、自ら勢いよくばっさりやってしまったところである。
塔の外からは魔女がぎゃあぎゃあと喚く声。
髪を伝って登り始めたところを切ったので、どすんと落ちて尻もちをついたのだろう。
──それはまあいい。だが。
「これじゃあ王子様がやって来られない……!!」
手から髪が滑り抜け、床に広がる。
ラプンツェルは先を悲観し、頭を抱えて座り込んだ。
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