何回言ったら伝わるの？

「先輩、好きです!」

初めてできた好きな人。
初めての告白。
放課後の人影のない校舎裏。
私が夢にまで見た理想の告白場所。
日がいい感じに当たり、雰囲気も良い。
何もかもが最高だった。
ただし、先輩の反応を除いて。

「そう？ありがとね」　

この人絶対わかってない。
確かに女が女に告白するなんてありえないと思っているかもしれないけど、信じてほしい。

「先輩、私は恋愛的に好きなんです。」
「わかってるよ」

本当にわかっているのかわからない反応。
わかっているなら、わかっているで、早く返事かほしい。

「もう一回言いますよ、好き好きだーいすきです」
「んー」
「なんですかその反応！返事くださいよ」

煮えきらない反応　
やはり、だめなのだろうか。
先輩からしたら、私は変な人なのだろうか。
そうな考えが頭をよぎる中、諦めずに告白し続けた。

「あと何回言えば伝わりますか!」
「逆にさ、陽乃ちゃん」
「は、はい」
「好きって何回言えば伝わると思う?」

私の問に先輩から、難しい質問が飛んできた。
今まで考えたこともない。
私を試すように聞いた質問にずっと唸っていると、先輩が微笑んで話し始めた。

「大好きだよ、陽乃ちゃん」
「…………えっ」

耳元で囁かれる。
急な告白に、頭が追いつかない。

「いまので伝わった?」
「は、はい!」

Q.好きは何回言ったら伝わるのか?
A.気持ちがあれば、一回で伝わる。