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「はっはっは!」教官は大笑い。
「お前なぁ、クライエントの住所と名前、しっかり確かめてみ?」
「へっ?」
新米死神が懐からメモを取り出して眺めてみましたらば・・・。
「あれっ!もしかしたら・・・?」
「気ぃ付いたか?お前、人違いしたらしいなぁ」
「うわぁぁぁ~!」
新米死神は頭を抱えてつっぷして、さらに大泣きですわ。
「まあ、すんだことはしゃぁないわ。うっかりこっちに連れてこんでよかったやないか」
「あのぉ…本来お連れするべきやったクライエントさんは……どないなったんでしょう」
「ああ、お迎えがこやへんて、息吹き返しはったみたいやな。
もうこれまでと覚悟しとったのに助かったんやから、これからは世のため人のために尽くして生きるて、公園の掃除なんぞしてはるらしいで」
「以後気を付けます!」頭を床に擦り付けて謝ってはりました。
「ま、初めてのお迎えなんて、皆こんなもんじゃ」
そして教官は新米死神の足元を見て付け加えました。
「お前についてきとるそのGさん、キッチリ成仏させてやるんやで」
とまあ、Gさんも成仏できまして、めでたしめでたし。
夢之屋Holly「初めてのお迎え」でございました~!
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