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母が小さな女の子を連れてきた。
その子はまだ、ランドセルをからう幼い子供。俺の半分よりも小さいのではないか。
母は申し訳なさそうにその子の手を離し、俺は代わりに彼女を預かることになった。
「お前、憑いてるぞ」
小学生とは思えない言葉の威力と力強さに思わず目を見張る。
幼い少女は唇を綺麗な半月のように描かせると、「あたしが助けてやろうか?」と続けた。
今、俺がどんな状況に陥っているのか理解しているかのような表情だった。
だがしかし、彼女ははっきり見てわかるほどの小学生である。
風で空いていた扉が閉まる。彼女のランドセルに付いていた小さな鈴が音をあげた。
「あたし、藤堂ねおが力になってやろう」
薄暗い部屋で彼女の顔が不気味に光って見えた。
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