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Episode.1
鈴木快斗が、頭上に1ーSと書かれたプレートのある教室のドアを開けた。
教室のドアが開くと、中にいた生徒たちが一斉に入ってきた快斗の方を向いた。
この時点でもう、ほとんどの生徒がそろっているようだった。席のほとんどが埋まっている。
教室にいた生徒達が、入ってきた快斗を見てひそひそと声を潜めて話し出す。
「なにあれ。ヲタク?」
「あれって外部からの特待生だよね?」
「特待生って、学年主席だったんでしょ?」
「ヤバ、根暗じゃん」
「顔なんてほとんど見えないし」
「これだから庶民は‥‥」
教室に一歩足を踏み入れた快斗は、教室にいた生徒達の言葉を全く気にせず、少しキョロキョロとしてから前の黒板に向かった。その黒板には座席表が貼ってあった。座席は出席番号順になっているようだ。
少しして、自分の席を見つけたようだ。快斗は廊下側から3列目の1番後ろの席に座った。
席に着いた後、快人はとても小さな声で何か独り言を呟いたようだった。だが、その声はあまりに小さく、周りの喧騒に掻き消され、聞こえた者はいなかった。
「本当なら、こんなところに来ることなんて....」
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