3-1『紗江』

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 柊くんがいなくなって、はめられたんだってことに気付いて、隼人さんの様子をこっそり見に行った。その時よ。綾美さん、あなたのお腹が膨らんでいて、わたしの中でなにかが弾けたの。  わたしはバイセクシャルである颯人さんのことを受け入れられず、ほかに恋人がいるということも受け入れられなかった。  でもあなたは──その両方を受け入れ隼人さんと良い関係を築き、子どもまでもうけた。わたしにできなかったことを、あなたは易々とやってのけた。  それが許せなかった。ううん、嫉妬した。  だから、あなたのことも不幸にしたかったの。わたしは彼を失い、結婚もできず、子どももいない。なのに、あなたは隼人さんと結婚し妊娠までしている。隼人さんに夕貴さんという恋人がいることを知りながら──。
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