万華鏡

3-1『紗江』

　でも、あの日──あなたは急にいなくなった。諦めたのかと思ったけど、ずっとそわそわ落ち着かなくて嫌な予感がした。部屋に飾っていた花が萎れているのを見て、ふっと夕貴さんのことを思い出したの。そしたら、いてもたってもいられなくなって……それで夕貴さんが働いている花屋に向かった。