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柊の住むアパートにつき、滑らないよう気をつけながら階段をあがる。一段あがるごとに不思議と鼓動が早くなり、柊の部屋の前につく頃には心臓が痛いほどだった。
だが、チャイムを鳴らしても応答はなく、部屋の電気もついていない。不在を知っても立ち去る気にはなれず、紗江は部屋の前で柊の帰りを待つことにした。
電話番号は一年前に消去してしまっている。連絡手段はなにもなく、紗江はただひたすらに柊の帰りを待った。
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