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押し黙る紗江を見て、室戸が申し訳なさそうに頭を掻く。
離婚の原因。
そうだ。それだ! と、紗江の中で慌ただしくピースが繋がっていく。翔と会う時、紗江は細心の注意を払っていた。それに、どんなに翔を恋しく思っても、目の前に隼人がいれば紗江の心は隼人でいっぱいになり、ふらふらと浮わつくことなど一度もなかった。
それなのに、なぜ隼人は浮気に勘づいたのか。
答えはひとつだった。
「ねえ、探偵さん。こういうことってないかしら?」
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