![1dc36b37-039b-4de9-b09f-9454fd2cc6b9](https://img.estar.jp/public/user_upload/1dc36b37-039b-4de9-b09f-9454fd2cc6b9.jpg?width=800&format=jpg)
綾美が隼人と出会ったのは、今から三年前のことだった。
人数合わせのためにしぶしぶ参加した合コン。当時の綾美は肩まで伸ばした髪にゆるいパーマをかけ、どこか少女めいた幼い風貌によく似合うヘアスタイルをしていた。二重まぶたのぱっちりとした目、長い睫毛。愛嬌のある低い鼻に小さめの口。年相応に見られたいという願望はあったものの、無理をして大人っぽいヘアスタイルや服装をすれば、余計にちぐはぐな印象を与えることを綾美は身をもって知っていた。
だからその日も綾美は、自分の童顔に似合うかわいらしい格好で店に出向いた。パフスリーブの白いブラウスにミモレ丈のフレアスカート。いかにも男受けしそうなその外見に、やはり男たちは食いついてきた。
「ええっ? 27歳? うそうそ」
「綾美ちゃん、二十歳くらいにしか見えないよ」
男たちはそう言って、実年齢よりずっと若く見える綾美を褒めそやした。
──ばっかみたい。
若く見えるって言えば、こっちが喜ぶとでも思ってんの?
人数合わせのために呼んだ綾美に男たちの視線が集中し、幹事役の女性はばつの悪そうな顔をしている。だが、そんな顔をされても綾美の知ったことではない。どうせあとから、自分は謂れのない悪口を言われるのだろうからお互い様だと、綾美は適当に男たちに相づちを打ちながらグラスを傾けた。
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