1-2『綾美』

11/11
前へ
/139ページ
次へ
「隼人。わたしね、隼人のことが好きなんだ」 「え……わかってるよ」 「ううん、わかってない。はじめから最初から好きだった。ずっと好きだった」  なにかを悟り隼人の目が瞬時に光を失っていく。深い失望と軽蔑のまなざし。 「……だから妊娠でもすれば隼人も変わるんじゃないかって。バカだよね」 「……もういい」 「聞いて。だから結婚したの──愛されなくてもいいから、隼人と一緒にいたくて……」
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

96人が本棚に入れています
本棚に追加