2-2『綾美』

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 隼人のいない人生など綾美にはもう考えられなかった。すべてを台無しにした紗江が憎くてたまらない。愛されずともずっとそばにいたかった。妻でも恋人でなくてもいいから、親友というポジションだけは死守したかった。けれど、もうそれすらも叶わない。  ──あの女のせいで!   ギラギラとした目で紗江を睨みつける。爛々と輝くその目は、紗江が綾美を階段から突き落とした時の目にそっくりだった。
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