2-4『柊』

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 うまくいく保証はどこにもなかった。偽の離婚をしたところで、条件として二度と隼人の前に現れるなと言ったとて、紗江の心が完全に隼人から離れるとは柊も思ってはいない。  それでも、少しでも自分のことを想っていてくれるなら、離婚が成立した後で一旦姿をくらまし、再び運命的な出会いを果たせれば、もしかしたら紗江の心が傾くかもしれないと──柊は淡い期待を抱いていた。
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