5 魔法省 見学

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5 魔法省 見学

「お越しいただきありがとうございます。」 「いえ…。こちらこそお邪魔いたします。」 魔法省の最高権力者とやらに頭を下げられ、慌ててしまった。 (私…少しは成長したはずなのに…) 私は今、魔法省というところに来ている。魔法のことについて調べ、実用化させることが主な仕事らしい。 なぜ私がこんなところにいるのかというと…魔力検査で前例のない結果だったが、属性数が多かったので聖女候補より向いていると判断されたからだ。 「ここからはこちらの研究員が案内いたします。」 「あ、アナです…。よ、よろしくお願いします…。」 紹介されて出てきたのは、顔を隠した背丈が同じくらいの女の人だった。 少しはねている肩くらいの長さのピンクの髪と、顔を紙を貼って隠しているのが特徴的な可愛らしい雰囲気の人だ。少女と言われても違和感がないと思う。 「こちらこそよろしくお願いします」 「ひ、ひゃいっ!」 挨拶したら驚かれた。 (割とショックになるな…。) 最高権力者が話しかけてきた。 「まあ…こいつは人付き合いがあまり得意ではないですが、知識は豊富で  腕も確かなので…よろしくお願いします。」 「あ…はい。」 急に話しかけてきたことに驚くことは誰でもあることだ。 私は焦らずに少しずつ仲良くなりたい。 「…じゃあアナさん。私を案内してくれますか?」 「…はい。では行きましょう…。」 ぎこちない動きだったが、ちゃんと案内しようとしてくれている。 私はその動きに合わせ、ゆっくりとついていったのであった。
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